ツバメの巣Top > Study > Math > 場合の数 > 二項定理
*
場合の数 -二項定理-
二項定理 ・二項係数 :
(a+b)2 を展開すると
(a+b)2 = a2+2ab+b2

(a+b)3 を展開すると
(a+b)3 = a3+3a3b+3ab3+b3

(a+b)4 を展開すると
(a+b)4 = a4+4a3b+6a2b2+4ab3+b4
…   

それでは一般に、(a+b)n の展開公式はどうなるであろうか。
そこでもう一度 (a+b)4 の展開公式を調べてみる。
(a+b)4 を展開すると、出てくる項は
a4, a3b, a2b2, ab3, b4

の5つである。これらの係数を組合せ nCr の考え方を用いて求めてみる。たとえばa3b の項は
(a+b)4 = (a+b)(a+b)(a+b)(a+b) ⇒ a3b

のように、4個の因数 (a+b) のうち1個から b を取り出し、残り3個から a を取り出してかけ合わせたものであり、その取り出し方は 4C1 個ある。したがって、a3b の係数は 4C1 である。
また、a4 はどの因数からも b を取り出さない、すなわち a だけを取り出してかけ合わせたものであるから、その係数は 4C0 であり、同様に考えて、a2b2, ab3, b4 の係数はそれぞれ 4C2, 4C3, 4C4 である。したがって
(a+b)44C0a44C1a3b+4C2a2b24C3ab34C4b4

と表せる。一般に
(a+b)n = (a+b)(a+b)(a+b) … (a+b)

についても、同じことがいえる。すなわち、展開によって現れる項は
an, an-1b1, an-2b2, …, an-rbr, …, abn-1, bn

の (n-1) 個である。ここで an-rbr について考えると、n 個の因数 (a+b) のうちから、b を r 個取り出し、残りの中から a を (n-r) 個とりだしてかけ合わせたものであるから、その取り出し方は、n 個から r 個とる組みあわせの数に等しく、nCr 個ある。よって
(an-rbr の係数)= nCr

これは r = 0, 1, 2, 3, …, n のときつねに成り立つから a0 = b0 = 1 と定めると、次の等式が成り立つ。
(a+b)nnC0annC1an-1b1+ … + nCran-rbr+ … + nCnbn

また、 の知識があれば、次の等式で表せる。
n 
(a+b)n = 煤@nCkan-kbk
k=0 
この等式を 二項定理 といい、nCran-rbr一般項 という。また、二項定理の右辺の係数
nC0, nC1, nCr, nCn

二項係数 という。

パスカルの三角形 : 係数の代表的な求め方
   

これは (a+b)n のそれぞれの係数を表していて、上から n = 0, n = 1, n = 2, n = 3, … となっている。
例えば上から7つ目は n = 6 つまり (a+b)6 の係数を表していて
(a+b)61a66a5b+15a4b220a3b315a2b46ab51b6

となる。

多項定理 :
(a+b+c)n や一般の (a+b+c+…+)n のように、3つ以上の項からなる式の n 乗の展開式については、二項定理と同様に多項定理が成り立ち
(a+b+c+…+)n

の展開式における一般項は
n! / p! q! r! … t! × apbqcrt
             (p+q+r+…+t = n ; p, q, r, …, t は負でない整数)

である。

戻る


Page Top