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クラウン2-Lesson04

Lesson04

Outside the Box ─「ハコ」の外─

考え方を変えれば世界が変わる

─ノーマン・ビンセント・ピール─

独創性とは何でしょうか?それは習得できるものなのでしょうか?健は興味をそそられ調べたいと思い、ジェームズ・アダムス博士にインタビューをしました。博士は最近、独創性に関する本を書きました。

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健:アダムス博士、このインタビューのために時間を割いていただいて誠に有難うございます。あなたはいかにして独創的になるかに関する本を数冊書います。あなたは厳密に、「独創的」であるということによって何を意味しているのですか?

博士:「独創的」ということによって私は単に単純な解決法がない問題に対する新たな解決法を思いつくことができるということを言っています。独創的であるとはこの世界の新しい見方を見つけ出すことを意味します。

健:今日、なぜこんな多くの人が独創的であることに興味を持つのでしょう。

博士:おそらく、最も重要な理由の一つは、いまだかつて直面したことのない問題に対処しなければならない複雑な時代に私達は生きている、ということです。

健:アダムス博士、より独創的になるために自分自身を訓練することって可能ですか?独創性とは習得できるものなのでしょうか、それとも生まれながら持っているものなのでしょうか?

博士:自分自身を訓練することでより独創的になれると私は信じています。独創的であるためには、新しいものの考え方、あるいは問題を新しい見方で見る能力が必要とされます。そのためには自由に考えることを妨げる、私が「メンタルブロック」と呼ぶものを認識しなければなりません。面白いパズルを出してみましょうか、そうすれば私が「メンタルブロック」という言葉によって何を意味しているのかもっとよくわかるでしょう。

    2

健:面白そうですね。パズルは好きなんです。

博士:いいでしょう。ここにそのパズルがあります。問題は、ペンを紙から離すことなく九つすべての点を通る四本以下の直線が引けるかどうかというものです。

健:うーん、えーっと。四本の直線ですよね─不可能です。

博士:不可能に見えるだけですよ。少しアドバイスしましょうか。新しい必要条件を何も付け足してはいけません。たいていの人は必要の無い条件を付け足してしまう。彼らはメンタルブロックを持っています。彼らは自分が四角い箱の中に留まらなくてはならないと考える。独創的であるということは箱の外で考えられるようになることを意味するのです。

健:やった、分かった!(解法1参照)

博士:よくできました。

健:たった今、別な解法を思いついたのですが。これはどうです?(解法2参照)

博士:お見事!このパズルには本当はいくつか解法があります。こんな解法もあります。数回紙を折ることで、九つすべての点がちょうど一本の線で交わります。

    3

博士:あとパズルをばらばらに切り分けて、そして違った風に寄せ集め、再度一本だけ線を使うといった解法もあります。

健:よくそんなアイデアを思いつけるものですね。

博士:他にこんな解法を思いついた人がいます。紙を地表に置きます。一周するごとに次の列を通り抜けるようちょっとずつ移動しながら地球をぐるりと回るのです。

健:まさに独創的ですね。

博士:これが独創性です。不要な必要条件を避けられるようになること、「ハコ」の外側で考えることです。ここに私のお気に入りの解法があります。小学校の女の子が送ってくれたものです。

「拝啓、アダムス博士。

お父さんと私はあなたの本の点のパズルをやっていました。お父さんが一本の線でできるやり方を見つけた人がいると言っていました。私もやってみたらできました。折るのではなく、一本の太い線を使うのです。太い線を使ってはいけないとは書いていませんよね。こんな感じです。」

    4

健:インタビューを始めたところに戻ってみましょう。このことはすべて独創性のどんなことを示しているのですか?

博士:独創的になるためにはメンタルブロックを避け、「ハコ」の外で考えられるようになることが大切です。問題の出し方が大雑把であればあるほど、独創的な解法への余地が残されるのです。

健:例を挙げていただけますか?

博士:仮にもっといいドアを作るように言われたとしましょう。どんなドアを考えますか?十中八九、長方形の木を考えるでしょう。それがあなたのメンタルボックスにおけるドアの概念なのです。ドアを考える代わりに、壁を通り抜ける方法を見つけることを考えなさい。この新しい考え方があれば、別の解法、すなわちカーテン、伸縮性のある間仕切り、シャッター、店の中に熱を閉じ込めたり冷凍庫の外へ熱を追い出したりするために使われるエアカーテンさえ考えつくことができます。

健:それで博士はあまり厳密な問題の出し方は独創性を制限してしまうと言っているのですね。

博士:その通りです。より良い解法は不要な必要条件を取り去ることによってもたらされるのかも知れません。「ハコ」の外側で考えられるかどうか。そこが問題です。

健:ありがとうございます、博士。博士と創造性について話をしてとても面白かったです。本当にありがとうございました。

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